設計事務所が手がける新築・注文住宅のお庭づくりをご依頼いただきました。以前に作庭したお客様からのご紹介がきっかけです。


お施主様のご家族が茶道を嗜まれていることから、茶室へと続く露地のある茶庭をご希望。一方で、植物を楽しむための日陰をつくるパーゴラや、芝生のある洋風の庭、バーベキューを楽しめるスペースも必要でした。
限られた敷地の中で、異なるふたつの庭を共存させるために考えたのが「リバーシブルガーデン」です。
Before



After



通りから見える側は、芝生とパーゴラを中心とした洋風の庭。ウッドフェンスを背景に、オージープランツなどを取り入れました。一方、茶室から眺める側には、天然竹を使った建仁寺垣を設け、露地のある和の庭へ。異なる二つの庭が、それぞれの場所から楽しめる構成としました。
茶庭の手水鉢は、以前のお庭で使われていたものを再利用。向きを見直して組み直すことで、空間にしっくりと馴染む景色になりました。水鉢の左右に配置する明かり石や手桶石は、流派によって向きや組み方が異なるため、茶庭の作法にも配慮しています。飛び石には、経年によって現れた錆色が美しい御影石を選びました。




二世帯住宅のため、ひとつのアプローチから二つの玄関へつながる構成とし、それぞれの世帯に合わせた庭を計画。親世帯側は和の趣を、子世帯側は既存の植栽を活かしたシンプルモダンな庭としました。常緑樹による目隠しや低めのフェンスを設け、玄関を開けた際にも通りからの視線をやわらげています。
擁壁沿いの花壇には、茶庭に近い西側に和風の雑木、洋風の庭に近い南側にはオージープランツを植栽。西側から南側へ、和から洋へと植物の表情が自然につながるグラデーションをつくりました。植木の種類も豊富に取り入れながら、基本は常緑樹を中心に、目隠しや強い日差しをやわらげる役割も持たせています。メッシュフェンスにはモッコウバラを植え、2〜3年後には緑の生垣へと育っていく計画です。


パーゴラの下は土間コンクリートで仕上げ、家族でバーベキューを楽しめるアウトドアスペースに。立水栓には耐久性の高いステンレスを採用しました。
茶の湯を楽しむ静かな露地と、家族が集い楽しめる開放的な洋風ガーデン。ひとつの庭でありながら、見る場所や過ごし方によって異なる表情を楽しめる、暮らしに寄り添ったリバーシブルガーデンが完成しました。
Information
- 種別:新築ガーデン設計、施工
- 植栽カテゴリー:茶庭(露路)、洋風ガーデン(オージープランツ)
- 所在地:東京都目黒区

